グラフィックデザインについてもう少し。
デカくて重いモンセン欧文書体見本帳。バインダーにいろんな欧文書体が載っています。
デザイン事務所ではロゴや見出しの文字を組む事があります。
ココから「紙焼き」という作業をします。選んだ書体を暗室でフィルムに現像し印画紙に焼き付け。それを1文字ずつバラして文字間を調節しながら文字組み、版下を作ります。
若手のデザイナーは先輩からの指示で、丸1日暗室にこもっている事も。
夏の蒸し暑い暗室。赤い電球。現像液の匂い。 今でもしっかり記憶しています。
当時のデザイン事務所には必ずあったモンセン。今や必要が無くなってしまいました。
その他、文字を打って頂く写植屋さんという職種がありました。
ボクが居たデザイン事務所 K2は、雑誌や写真集、広告のデザインでしたので大量の文字打ちを依頼するのは当たり前。
毎日2回、写植屋さんが来られて手渡しで文字をもらっていました。郵便屋さんのように小脇に封筒を抱え「伊東くーん」「池田くーん」なんて名前を呼びながらテーブルを回るのです。
それをまた紙焼きで縮小拡大。 大変な作業です。
その写植屋さんも無くなってしまいました。
20、30年前、ボク達デザイナー、イラストレーター、その周りの職種にとって選択を迫られる"コンピューター"というモノが登場したのです。
避けては通れない本当に大きな大きな転機でした。