書類を整理していると懐かしい写真が出てきました。
もう随分むかし、ボクが東京のデザイン事務所で丁稚をしていた頃の写真です。
毎日本当に忙しく帰る時間もなく、ほとんどが事務所泊まりの生活でした。あくまで"丁稚"なので必要最小限のお金しか無く、住まいは○○荘と名のつく古いアパートです。
ある雪の降る夜。家に帰る時間がとれ喜んで帰宅。
久しぶりに見るアパートの入り口には"豚丼"と書かれたノボリとラーメンの提灯。
ボクの部屋の扉前にはイスに座りマンガを読んでいる客が数人。
なんと数日帰っていない間に部屋の隣がテイクアウト専用の豚丼屋さんになっていたのです。
さすがにびっくりしました。
待っている客に「すいません。入ります。」と断りを入れ部屋に入り、店が閉店時の1枚がこの写真です。
次の日、お隣さんなので挨拶を兼ねて豚丼を注文。地元が北海道の気の良い夫婦でした。
また帰れない日が続き、数日後に帰宅すると扉の前に裸電球がぶら下がり漫画の本棚が出来ていました。
寒い夜、住宅街で雪が降るのを見ると思い出します。